ヴァンサン・ルグーは、ヴォーヌ・ロマネの西側となるニュイ・サン・ジョルジュのコンクール村に位置するドメーヌです。
1998年、ヴァンサン・ルグー氏は、生涯にわたりDRC（ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ）社に勤務していた祖父ジェラルド、父ジャッキーに続き、丁稚としてDRCへ入社。栽培から醸造、熟成、出荷まで幅広く従事した後に正社員となりました。若手のエースとして活躍し、主にグラン・エシェゾーとエシェゾーの栽培を担当。グレート・ヴィンテージ2005年のブドウ栽培などを全うしました。
2006年、自身のワインを造ろうと8年間務めたDRC社を退社。実家のドメーヌに戻り、DRC社での経験から培った技術で土壌改良など一から畑造りを行い、2008年に正式にドメーヌを継承。本格的に自社で瓶詰めを開始しました。

2009年からビオロジック栽培への切り替えを開始し、2010年から完全ビオロジック栽培（2012年ECOCERT認証）となりました。

ヴァンサン・ルグー氏の理想とするワインは、エキスがたっぷりと抽出されていて、かつ、濃くなく上品なワイン。「栽培も醸造も、除梗率や新樽率などを除いて、基本的にはDRC社でやってきたことをそのまま行っています。最も大事なことは、observation（オプセルヴァシオン／観察）。すべてにおいて、自分の目で見て確認するということです」と語ります。

親子3代にわたり勤めたDRC社との関係は深く、DRC社オーナーのオベール・ド・ヴィレーヌ氏、醸造長ベルナール・ノブレ氏が連れ立って彼のドメーヌを試飲に訪れ、価値ある助言をしていました。

所有する畑は12.5haと小さく、生産量の約60％はフランス国内のレストランやホテル、ワイン愛好家たちに消費され、残りはイギリスやアメリカなどへ輸出販売されていますが、「Guide-Hachette」「La Revue du Vin de France」「Bourgogne Aujourd'hui」など海外メディアでも注目されるドメーヌです。