シャトー・ド・ラ・ヴェルはフランス大統領晩餐会でも使用されるほどの実力と歴史を兼ね備えたムルソー村の優れた生産者で、多くのフランス三ツ星レストランでもオンリストされています。シャトーを所有するダルヴィオ家の歴史は古く、1789年に起こったフランス革命以前からブドウ栽培を行っており、1826年のボーヌの土地台帳にもその名を確認することができます。1978年よりベルトラン・ダルヴィオ氏が9代目当主の座に付いています。
長い歴史と非常にクラシックなエチケットから古典的なイメージがありますが、ワインはモダンな仕上がりで、ダルヴィオ氏の温厚な性格と畑への情熱がワインにも表現されています。

畑はムルソー村の他、ポマール、ボーヌ、サヴィニー・レ・ボーヌに所有しており、そのほとんどが粘土石灰質土壌で、15年以上も前からリュット・レゾネ（減農薬農法）を採用。1株の房数も白は6房、赤は5房に制限し、収穫も全て手摘みで行っています。
畑に雑草を生やし、地中の生物の活動を促進して畑を活性化させること（畑に雑草がある状態で畑を耕すと根に酸素がしっかり行きわたり、ブドウの木に散布した農薬も地中に染み込まずに雑草がクッションになる）も今でこそよく見かける光景ですが、「馬鹿げた行為」と言われていた10年以上前の頃から実践しています。

完全除梗を行い、醗酵は赤はコンクリートタンク、白はステンレスタンク及び樫樽を使い、熟成は赤白ともに樫樽を使用します（アリゴテを除く）。ブドウの風味を損なわないように新樽率は常時20％以下に抑えています。樽から樽へワインを移すときもポンプは使わず、重力システムを利用してワインに負担を掛けないようにしています。熟成期間は白は10ヵ月間、赤は12～14ヵ月間ほど行っています。